浅層掘削試験

浅層掘削試験

1.試験場所 福岡県大野城市乙金3丁目地内
2.実施期間 平成19年11月7日
3.支持地盤 花崗岩(N値50/5)
4.杭仕様

軸部径 拡底施工径 掘削長 杭天端 杭実長 本数 孔内水の有無
φ1500 φ2500 GL−5.0m GL−0.0m L=4.5m 1 無水

5.試験方法と計測箇所の説明及び図

浅層において拡底掘削をし、施工性の確認を行なった。また、拡底部の形状及び寸法(拡底施工径、拡底高、傾斜高、立上高、傾斜角度、ポケット高、スライム量)の確認は、孔底に降りてスタッフを当てて実測して確認した。尚、底ざらい処理はハンマーグラブを用いて行なった。
測定地点は、図-1に示す4箇所で測定を行った。測定方向は方位と一致させ、東方向を@として、反時計回りにA〜Cとした。

図−1 測定箇所と方位関係

図−1 測定箇所と方位関係

6.柱状図

柱状図

7.拡底部形状・寸法と実測結果

実測結果一覧

  設計値 実測値
@ A B C 平均
軸部径 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm
拡底施工径 2500mm 2500mm 2500mm 2500mm 2500mm 2500mm
傾斜角度 12度以内 11.9度 11.8度 12.0度 11.6度 11.8度
傾斜高 2350mm 2380mm 2400mm 2350mm 2440mm 2393mm
拡底高 2850mm 2900mm 2900mm 2850mm 2950mm 2900mm
立上高 500mm以上 520mm 500mm 500mm 510mm 508mm
ポケット高 500mm 470mm 420mm 470mm 420mm 445mm
孔底スライム量 管理値 10mm 10mm 10mm 10mm 10mm
50mm以下

 測定寸法を示します。( )内の値が設計値となります。

測定寸法を示します。( )内の値が設計値となります。

(1)−(3)(東西)方向  |  (2)−(4)(南北)方向

@−B(東西)方向  |  A−C(南北)方向

拡底施工径計測結果

  • 計測地点@

    計測地点@

    設計値 2500 mm
    実測値 2500 mm 軸部径1500mm+500mm
  • 計測地点A

    計測地点A

    設計値 2500 mm
    実測値 2500 mm 軸部径1500mm+500mm
  • 計測地点B

    計測地点B

    設計値 2500 mm
    実測値 2500 mm 軸部径1500mm+500mm
  • 計測地点C

    計測地点C

    設計値 2500 mm
    実測値 2500 mm 軸部径1500mm+500mm

立上高計測結果

  • 計測地点@

    計測地点@

    設計値 500 mm以上
    実測値 550 mm
  • 計測地点A

    計測地点A

    設計値 500 mm以上
    実測値 550 mm
  • 計測地点B

    計測地点B

    設計値 500 mm以上
    実測値 550 mm
  • 計測地点C

    計測地点C

    設計値 500 mm以上
    実測値 550 mm

傾斜高・拡底高計測結果

  • 計測地点@

    計測地点@

    (傾斜高)
      設計値 2350mm 実測値 2400mm
    (拡底高)
      設計値 2850mm 実測値 2950mm
  • 計測地点A

    計測地点A

    (傾斜高)
      設計値 2350mm以上 実測値 2350mm
    (拡底高)
      設計値 2850mm   実測値 2900mm
  • 計測地点B

    計測地点B

    (傾斜高)
      設計値 2350mm 実測値 2350mm
    (拡底高)
      設計値 2850mm 実測値 2900mm
  • 計測地点C

    計測地点C

    (傾斜高)
      設計値 2350mm 実測値 2340mm
    (拡底高)
      設計値 2850mm 実測値 2890mm

傾斜角度計測結果

  • 計測地点@

    計測地点@

    設計値 12度以内
    実測値 11.8度
    (拡底施工径−軸部径)/2=500mm
    傾斜高=2400mm
    θ = atan(500 / 2400)= 11.8度
  • 計測地点A

    計測地点A

    設計値 12度以内
    実測値 12.0度
    (拡底施工径−軸部径)/2=500mm
    傾斜高=2350mm
    θ = atan(500 / 2350)= 12.0度
  • 計測地点B

    計測地点B

    設計値 12度以下
    実測値 12.0度
    (拡底施工径−軸部径)/2=500mm
    傾斜高=2350mm
    θ = atan(500 / 2350)= 12.0度
  • 計測地点C

    計測地点C

    設計値 12度以下
    実測値 12.1度
    (拡底施工径−軸部径)/2=500mm
    傾斜高=2340mm
    θ = atan(500 / 2340)= 12.1度
  • 計測地点@−B

    計測地点@−B

    設計値 12度以内 実測値 11.9度
    孔底から500mm上の拡大径 2500mm
  • 計測地点A−C

    計測地点A−C

    設計値 12度以内 実測値 11.9度
    孔底から500mm上の拡大径 2500mm
  • 計測地点@−B

    計測地点@−B

    孔底から1000mm上の拡大径 2320mm

    傾斜角度
    計測地点@
    (拡大径−軸部径)/2 =(2320−1500)/2 = 410mm
    (拡底高−測定高)=(2950−1000)= 1950mm
    θ = atan(410 / 1950)= 11.9度

    計測地点B
    (拡大径−軸部径)/2 =(2320−1500)/2 = 410mm
    (拡底高−測定高)=(2900−1000)= 1900mm
    θ = atan(410 / 1900)= 12.2度

    計測地点@−B

  • 計測地点A−C

    計測地点A−C

    孔底から1000mm上の拡大径 2320mm

    傾斜角度
    計測地点A
    (拡大径−軸部径)/2 =(2320−1500)/2 = 410mm
    (拡底高−測定高)=(2900−1000)= 1900mm
    θ = atan(410 / 1900)= 12.2度

    計測地点C
    (拡大径−軸部径)/2 =(2320−1500)/2 = 410mm
    (拡底高−測定高)=(2890−1000)= 1890mm
    θ = atan(410 / 1890)= 12.2度

    計測地点@−B

  • 計測地点@−B

    計測地点@−B

    孔底から1500mm上の拡大径 2090mm

    傾斜角度
    計測地点@
    (拡大径−軸部径)/2 =(2090−1500)/2 = 295mm
    (拡底高−測定高)=(2950−1500)= 1450mm
    θ = atan(295 / 1450)= 11.5度

    計測地点B
    (拡大径−軸部径)/2 =(2090−1500)/2 = 295mm
    (拡底高−測定高)=(2900−1500)= 1400mm
    θ = atan(295 / 1400)= 11.9度
  • 計測地点A−C

    計測地点A−C

    孔底から1500mm上の拡大径 2090mm

    傾斜角度
    計測地点A
    (拡大径−軸部径)/2 =(2090−1500)/2 = 295mm
    (拡底高−測定高)=(2900−1500)= 1400mm
    θ = atan(295 / 1400)= 11.9度

    計測地点C
    (拡大径−軸部径)/2 =(2090−1500)/2 = 295mm
    (拡底高−測定高)=(2890−1500)= 1390mm
    θ = atan(295 / 1390)= 12.0度
  • 計測地点@−B

    計測地点@−B

    孔底から2000mm上の拡大径 1870mm

    傾斜角度
    計測地点@
    (拡大径−軸部径)/2 =(1870−1500)/2 = 185mm
    (拡底高−測定高)=(2950−2000)= 950mm
    θ = atan(185 / 950)= 11.0度

    計測地点B
    (拡大径−軸部径)/2 =(1870−1500)/2 = 185mm
    (拡底高−測定高)=(2900−2000)= 900mm
    θ = atan(185 / 900)= 11.6度
  • 計測地点A−C

    計測地点A−C

    孔底から2000mm上の拡大径 1870mm

    傾斜角度
    計測地点A
    (拡大径−軸部径)/2 =(1870−1500)/2 = 185mm
    (拡底高−測定高)=(2900−2000)= 900mm
    θ = atan(185 / 900)= 11.6度

    計測地点C
    (拡大径−軸部径)/2 =(1870−1500)/2 = 185mm
    (拡底高−測定高)=(2890−2000)= 890mm
    θ = atan(185 / 890)= 11.7度

ポケット高・スライム量計測結果

  • 計測地点@

    計測地点@

    設計値 500mm 実測値 150mm
  • 計測地点A

    計測地点A

    設計値 500mm 実測値 150mm
  • 計測地点B

    計測地点B

    設計値 500mm 実測値 150mm
  • 計測地点C

    計測地点C

    設計値 500mm 実測値 150mm
  • 中心部

    中心部

    設計値 500mm 実測値 170mm
  • スライム測定

    スライム測定

    設計値 50mm以下 実測値 30mm

考察とまとめ

拡底施工径の形状寸法は、軸部周縁より4箇所とも500mmで設計値通りであった。これは、ケーシングと共に回転しながら拡大掘削する際に、GSBバケットの中心軸がぶれていないという事の検証にもなった。
立上高、傾斜高、拡底高については、概ね設計値を満足していた。
傾斜角度については、写真@・写真A及び図@・図Aに示すように、掘削爪最上部の先端を起点として傾斜角度を12度に設定している掘削爪の形状通りに掘削でき、概ね設計値を満足していた。
ポケット高については、設計値500mmに対して150mmと下回った。これは、軸部掘削完了後、拡底傾斜角起点までケーシングを引き上げて拡底掘削に移る時に、ケーシング引き上げ高さをポケット高の500mmを考慮せずに引き上げて施工した為である。またそれにより、孔底にスライムが全体的に30mm程度残る結果になった。この点については、高さ管理をより確実なものとなる様に対処する必要がある。そこで、予め、ケーシングにポケット高の500mmと拡底施工径によるケーシングの下げ量を各々にマーキングした上で拡底部掘削の施工に移り、高さ管理を確実に行なう事とする。

写真@ 掘削爪の寸法と角度(左)

写真@ 掘削爪の寸法と角度(左)

写真A 掘削爪の寸法と角度(右)

写真A 掘削爪の寸法と角度(右)

図@ 掘削爪の形状図(左)

図@ 掘削爪の形状図(左)

図A 掘削爪の形状図(右)

図A 掘削爪の形状図(右)